top of page

ブログ

Blog

パソコンとメガネ

同日ダブル内視鏡とは?





はい。


今回は、"同日ダブル内視鏡"

とは何ぞや?を解説します。


単純に申し上げますと


同じ日に、胃カメラと大腸カメラ、

2つの検査を完了させる事です。


検査手順は、


検査前日の夕食後から

絶食となります。


検査当日の検査開始3-4時間前から

大腸カメラ用の前処置薬を飲みます。


トイレへ何回か通い、排便します。


おしっこのように透明な薄い黄色い

液体しか出なくなってきたら、

ほぼ大腸の中はキレイになっており、

検査観察が可能な状態を示しています。


また胃カメラ検査用の前処置薬剤を

検査直前に約100cc前後飲みます。




さあ、検査を開始しましょう。^_^



①胃カメラ,②大腸カメラを

順不同で、検査をします。

①→②とするか、②→①とするかは、

施設によって違います。

①,②を同時にするのか?と誤解して

いらっしゃる方からの質問が過去散見しますが、必ず順番に施行します^_^


胃カメラで5,6分、大腸カメラで10分

前後の時間を要します。観察のみで

両者合わせて正味約15分で終了となります。


既にこのメソッドは、

私が研修医時代から存在する

方法ですが、何故、全国全ての病院、

クリニックで、そのやり方を

していないの?と疑問に思う方が

いらっしゃると思います。


当クリニックブログ内エントリーで申し上げましたが、胃の検査より大腸検査の

操作は圧倒的に難しい。消化器系研修医、卒後5年未満で胃カメラ操作は出来るが大腸カメラはまだ独立して出来ないという医師は全く珍しくない。私もかつてそうでした。大腸内視鏡技術の習得は、胃カメラ操作をマスターしたとしても、

次の高いハードルになるのです。


つまり、胃と大腸を両方ともに

担当可能な医師絶対数が足りないのです。



大学附属病院に代表される

教育指導病院や、基幹病院の

勤務医師の多くは、

かつて私がそうであったように、

大半以上が卒後まもない若い研修医、

修練中の医師たちであり一定以上の

知識、内視鏡検査治療経験をもつリーダー的存在は、突如ぐっと少なくなります。



そうした大型教育病院施設群で同日の胃-大腸ダブル内視鏡検査を完遂可能と宣言している施設は、私が知る限りはほとんどない、と考えます。




もう一つの理由をお話しします。


私を指導してくれた大先輩、師匠たち

(現在70歳以上の方々)に80年代、90年代初期の大腸内視鏡検査風景を

語ってくれたことがあります。


当時の大腸内視鏡導入期、黎明期はまず、

どうやったら、肛門から盲腸まで

到達させる事が出来るか?で、

大変な苦労があったようです。


挿入操作法がまだ研究段階で

確立されたメソッドが生まれる

以前ですから

1時間、いや、2時間かけて、

やっとこさ、大腸起点の盲腸に

到達した、いや、今回は全く遺憾ながら

到達できなかった!なんていうのが

当たり前だったようです。😩


現在ではEV車や、スマホは、

当たり前のように日常的に使用できますが、昔々、その開発黎明期は、とても

苦労があったと思います。


最初はプリウス登場時も、ガソリン車の

愛好家たちからは

"こんなの車じゃない、乗れやしない!"

と揶揄されたものです。


技術革新を求める時、改革派は、

常にロートル現状維持派、

あるいは古典派と呼ばれる人々に、

大いに批判されることが多いのです。


ガリレオ ガリレイもそうでしたね。w


これは、現在隆盛を誇る、外科の腹腔鏡下

手術でも同様であり、日本では1990年以降から導入されましたが、つい最近まで

"古典派"と私が呼称させて頂いています

現状維持派、旧態勢力から

腹腔鏡推進改革派は、

激しい抵抗を受けていました。ww


しかしながら現在、腹腔鏡下手術が

できないような外科医は、解雇されるか

引退を余儀なくされています。





そんなこんなで黎明期の大腸内視鏡検査の

大変さを覚えている患者さんたち、

あるいは老医師たちが、

"胃と大腸を同時に検査するだと!?

そんな事は無理に決まっている!

危ないだろ!?そんな事は!?"😡

と憤りを隠さないのでした。

胃と大腸検査を同日に一気にやれる

わけがない、と思い込みは何十年も続く。


一方で内視鏡の技術革新は、

どんどん進んでいきます。


2000年代を過ぎて、内視鏡ファイバースコープ先端から胃腸の管腔内に送気を

する際に、"空気"から"二酸化炭素"

を使用することが可能になりました。


二酸化炭素は、人間の体内では

空気よりも非常に早く溶解、

吸収されるため、従来よりも

圧倒的なスピードで検査中、検査後の腹満感、苦痛は解消されるようになりました。



更に同日ダブル内視鏡検査の

メリットは、忙しい働き盛り世代に

とって、わずか半日で検査

完了することです。



この同日の胃、大腸ダブル内視鏡検査技術は、私が研修した専門医療施設では既に確立されたメソッドでした。


しかしながら、周辺地域では、

その技術波及はまだまだのようです。


私はこの地でも胃癌、大腸癌の

早期発見、予防の為、全力で

皆様に快適に普及させたいと誓います。


平日、土日検査にも対応いたします。

いつでもご相談下さい。








閲覧数:47回

最新記事

すべて表示
bottom of page