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日帰り手術って、実際どうやるの?を解説

更新日:5月24日





当院は、消化器科専門クリニックとして

胃、大腸内視鏡検査治療、そして鼠径ヘルニアや肛門疾患に対する日帰り外科手術まで展開する地域内でも非常に数少ない専門施設です。




今回は当院の代表的な治療、

痔核(イボ痔)、痔瘻(アナ痔)の日帰り手術

の実際はどうなっているのか?

をレポートします。


まず、患者さんが病院に到着したら、

手術前の点滴ラインを確保し、

術前抗生剤投与を受けます。



昭和〜平成時代には、

"術後"に抗生剤を投与していた

病院施設が非常に多かったのですが、


医学的分析により現在では、あらゆる外科系、、脳外科、心臓外科、消化器外科、整形外科、全ての外科手術領域において

手術前に抗生剤を投与していきます。


この手続きは術後抗生剤投与よりも術前抗生剤投与のほうが、より術後の創部感染の発生確率を下げるという医学根拠が示されたからです。


(注意点、は、絶対に感染しない、とは

言えません。)


車を運転する際に、事前にエアバッグ機能が装備されて、かつシートベルトをして、スピードリミッターをONした方が、衝突事故時のダメージを最小限にしうる、と、同じ考え方です。



肛門日帰り手術をする為には

麻酔が必要です。


脊椎麻酔と呼ばれる方法を当院では、

主に行います。

(仙骨麻酔や局所麻酔で行う施設もありますが、ここではそれらの説明は割愛いたします。)


女性で無痛分娩や帝王切開を受けた

経験者がいらっしゃるかと思います。

それと同じ形式です。



患者さんに、横向きに寝てもらい、次いで膝を折り曲げてお臍の方までしっかり曲げて

エビのように丸まってもらいます。

あるいは、子宮の中の赤ちゃんのような

ポーズをとって頂きます。


次に、背中から、注射針を刺入し、

脊椎神経が存在するスペース内に

麻酔剤を注入します。



この麻酔は、速やかに効果を発揮して、

注射後10分〜15分以内で臍から下〜足先までの

暖かさ、冷たさ、痛み、などを感じる感覚神経が麻痺していき、最後には、足自体も自分で動かせなくなります。

(触られる感覚や振動などの感覚は残存します)

この効果は、注射後約3時間ほど

維持されます。


脊椎麻酔の実例を以下のリンクで

ご確認下さい。




手術の際、患者さんは、

砕石位(Lithotomy)

あるいはJack Knife Position

という姿勢をとってもらいます。


何故ならば、単に仰向けで寝ると、

肛門術野を視認できなくなるからです。






Jack Knife Positon


実際の手術開始直前に鎮静剤を

投与すると、患者さんのほとんどの方は、

緊張感や不安がなくなり、しばらく

うつらうつらと居眠りの状態になります。





手術開始となります、、


手術に必要な時間は、

痔核の場合には、

切除する部位の個数、大きさによって

誤差がありますが、平均すると約20分

前後で手術操作自体は完了します。



痔核には典型例として

好発部位があります。

右側に二箇所、左側に一箇所が

下の図に示すように発生します。


痔核成分を全てを切除しなければならない

とは限りません。

肛門から脱出するGrade 2,Grade3に

相当する部位を一箇所だけ切除する場合や

脱出はないが、出血が頻回に発生してしまう

Grade1に分類される小さな痔核を複数

処理しなくてはならないケースがあり、

患者さんの個人病態差に合わせて、

切除手術部位を決定します。


以前のブログにも書きましたが、

痔核手術において、全て日本国内での

保険診療下での治療で完遂できます。


保険適用にならない、保険外治療でしか

治せない、30万〜40万という法外な

治療費が必要だと誘導してくる

怪しげな肛門科医らに注意してください。


当院では自己負担3割の方の場合、

術後の内服薬処方を含んでも2万強の

支払いコストで治療しております。




痔核根治手術には多数の術式が

存在します。

当院では全世界で実施されている

ミリガン モルガン法を基本として

患者さんの個々の状況に最適な

術式を都度、選択しております。


以下リンク、手術実例ビデオを参考に

してください。




手術が終了すると、脊椎麻酔の効果は

約3時間持続するため、

リカバリーブースで、しばらく休憩が

必要になります。



ほどなくしてご自身で立ち上がること、

歩行も可能となれば、術後には当院が

実施したご自身の手術記録ビデオを

診察室でご供覧頂き、確かに病巣を切除した、

をご報告、次いで、術後用の内服薬を

もらいご帰宅となります。

帰宅後、食事も普通にできます。^_^


来院から帰宅まで約4〜5時間+-αのクリニック

滞在で日帰り手術が完了です。^_^







同じ診断名でも

病態には個人差があります。


手術が必要か?あるいは

保存的に内服薬、外用薬で経過を

見るべきか?など詳細については

お気軽に初診でご相談ください^_^



















 
 
 

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