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パソコンとメガネ

卒後間もない若きナースたちへ

更新日:10月18日

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当院には、独自に転職応募してくださる

方々もいます、同時に様々な人材派遣会社、

エージェントから、転職希望の

ナースたちの紹介応募も来ます。


その中には、卒後3年未満に

総合病院勤務を退職してしまった方、

全く当院が行なっている消化器系領域

の実務経験がない、という人物も

混ざってきます。


貴方が患者の立場で、卒後まだ5年未満の

前期研修医上がりの医師と

あるいは、少なくとも

10年以上臨床の修羅場を潜り抜けた

ベテラン医師と、どちらに手術を

してもらいたいですか?




私もかつて、三次特定疾患指定大学附属病院で勤務医としての長い修行期間があります。


サビ残での時間外労務は300h/月が平均、

交通多発外傷や、人工呼吸器管理が必要な重症例管理時には500h/月を越えました、


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心身ともに疲弊した日々、

年月を過ごしました。

誰もが夜勤や時間外労務は、嫌です。



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重症例は平日の昼間だけに来るわけではない。

クリスマスイブの夜、正月の夜中にも、

搬送されてきます。


もしも、この患者と同じ状況が自分

だったら?

自分の愛する親、伴侶、子供だったら?

自分は、もう仕事は終わり、これから

帰るから診ないぜ、とは絶対に言えない。



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自分たちにしか治せない、救えない

患者さんたちがいました。一般開業内科クリニックでは立ち行かない、一般病院では

到底お手上げな重症症例を診る事が

主な任務でした。



サビ残での膨大な時間外勤務は、非常に辛い

ものでしたが、それでも私が辞めないでいたもう一つの理由は、専門医としての一定の

スキルへ到達するまでの学びの場

だからでした。

黙っていても、毎日新しい診断法、

検査法、治療法を知る事が出来ました。

優れた上級医、指導医からの厳しき

トレーニングは、非常に刺激的かつ

有意義な時代でした。



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今では当たり前の鎮静剤投与下内視鏡、

腹腔鏡下、ロボット手術術式ですが、

私が研修医時代は、まだそれらは

黎明期、技術開発が始まったばかりでした。


一度最先端施設を辞めてしまうと

なかなか新しい技術、知識は、学びにくく

なるのです。私は、ある意味、現在の仕事の

ほとんどは、既に30年以上前に習得していた事を現在、市中一般の世界で披露しているに過ぎないのです。







まず、どうして自分が医療従事者になったか?

を振り返ってみたら良いと考えます。



看護師免許は国家資格だから、安定した

ナイスな仕事だ、と考えていただけなら、

とても残念。


9時-5時で仕事が終わりさえすれば良いならば、地方公務員となり役所で事務仕事さえ

していれば良かったかもしれません。


しかし、現実は甘くない。公務員でも

普通に残業はありますから、、苦笑。



巷に溢れるキラキラした

美容外科クリニックへの

転職を思いついた?



彼らの仕事は外面の、"美"を売る仕事ですから

そこで働く医師、ナース従業員も

ルッキズムに支配されます。


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貴方が若くてキレイめならば、簡単に

採用されるかもしれません。


しかし、保険診療とは全く違う世界。

わざわざ相当に高い金額をクライアントに

支払ってもらう、全く違う業種ですから、

当然、売上営業ノルマが課せられる。

努力しても結果が出なくても赤字に

なってもクビにならない地方の公立

中小病院勤務の医師やナースみたいなノリ

では一切無くなるのです。




また、一時期高額給与を得て

こんな素晴らしい仕事はない、と

喜んでいたのも束の間、

30歳を越え始めると、

貴方の立場は変わります。


またもや可愛らしい、キレイな

貴方より若いナースたちがどんどん

入職してきます。肩身が狭くなり、

いづらくなり、再度保険診療下の

医療業界に戻ろうとしても、もはや、

貴方の今のスキルは美容業界では

なんとか通用するかもしれませんが、

保険診療において必要な

全身管理知識、技術の基本スキルも

少ない貴方がクリニック、病院で

採用される可能性はかなり

低くなるかもしれません。


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あえなく免許だけはあるだけで

実際には仕事をしていない"潜在

ナース"グループの仲間入りになります。





大学附属を含めた基幹総合病院で働く事の

メリット、デメリットを再考しましょう。

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(メリット)


最新の医学知識、技術を学ぶ機会がある。


大組織、大人数の従業員構成だから、

病気、怪我の際の代替え機能は豊富。


(デメリット)


病院では、必ず夜勤、土日の時間外勤務が

不規則にアサインされる


大組織であるため、意思決定が遅い。

個人が望む効率化と組織が考える

それにはギャップが存在する。


従業員は沢山います。

毎年毎年新卒が入ってきてくれます。

彼らは沢山いるうちのOne of them,

毎年新卒から3年目までに離脱者が

出るのが分かっていますから

大量採用していくのです。

貴方は数ある駒のひとつでしかない。

駒が一つ無くなれば、また新しい駒を

足すだけで、良い、と考える上層部が

いるかもしれませんね。


総合病院は、そうした二面性を有します。





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では開業クリニックは?



(メリット)


夜勤や日曜の不規則時間外労務は

ほとんどない。まず、ない、、。

入院患者がいないからです。


夜になったら、毎晩

ぐっすり普通の人間らしく

眠りにつく事が出来ます。🤣

(人間の最低限の暮らしを取り戻せる!)


看護研究発表を自分が非番の休みにもかかわらずやらなくてはならない、なんていうブラックな仕事はまず発生しません。


看護計画やカルテ記録を早出勤して、

あるいは業務終了後に延々と何時間も

書き連ねる、なんていう事も、

まず求められません。




(デメリット)



基本的にクリニックは

少数精鋭での働き方になります。

外来では医師のカルテ記録サポート、採血、

点滴、心電図など、を基本手技として

完遂しなければなりません。患者の誘導や、

事務的処理、清掃など少人数でやらなければなりません。高血圧、糖尿病、喘息、

透析中、抗がん剤投与中、あらゆる

合併症を有する患者が外来に

来る、、幅広い知識で対応を求められます。

大病院時代では、部門細分化しており

専任担当者だけがやっていた事を単独で

横断的にこなすバーサティリティ、

ポリバレントな能力が求められます。


日勤だけだから楽な仕事のはず!と

勘違いしてはいけません。

濃密な日勤業務を過ごすを

覚悟しなければならない。

大人数ならば、

能力なき人材も全体に薄まりますが、

クリニック ナースは

個人実務能力が明確に浮き彫りになります。




給与待遇が病院より低くなる傾向になります。

病院では誰もが嫌な仕事"夜勤"

があるからこそ、の給与待遇です。


開業クリニックでは夜勤はないし、

高度な検査治療手技をあまり必要としない、

問診と内服薬処方のみに終始する

クリニックでは当然ながら低負荷業務ですから

待遇は下がるのは仕方がないかもしれません。





私個人としては医療従事者とは、

警察官、自衛官、消防士同様に

人を騙す事も、媚びる必要もない、

生命危機から患者を救う、日常生活に戻して

差し上げる非常に尊い業務であるを誇りに感じています。そして、、、長年、ひたすら仕事をして現在に至ります。


最先端医学が学べる大組織でプロ技術の

基礎を固めて、様々な症例看護経験を積み上げ

ついに機が熟したら、転職を考えるのが

どこでも通用する10年先も真の実力派

のままであるナースになると思います。


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